みなさんが「イタリアのスポーツ」と聞いて連想するものは何ですか?
おそらく筆頭はサッカー、今でこそ代表はあまり強くないですが、2006年のワールドカップ優勝や2021年の欧州杯優勝、そして各国から選手が集まるセリエAは日本でもよく知られていますね。そのサッカーについで国民的スポーツと言われているのがチクリズモ=自転車競技です。自転車競技は世界的はツール・ド・フランスが有名ですが、その イタリア版であるジーロ・ディタリア は国営放送で中継されるほど。レースの行程に入る町や村ではジーロのために道路整備が行われ(おらが村で実績あり・笑)、中継中はその町や地方も紹介されるため、自転車競技ファンでなくとも盛り上がります。
さて先日、そんな自転車ラバーの友人が来伊して一緒に オルチャ渓谷でEバイクツアー に行ってきましたが
これと並んでの旅の目的は、表題の ストラーデ・ビアンケ観戦 です。
私は日本で社会人時代にアウトドアおたくの同僚にハメられて3年ほどMTBにのめり込んだ経歴があるのですが、このレースの存在は知りませんでした!
STRADE BAIANCHE は、直訳すると白い道ですが、 舗装されていないオフロード を意味します。つまりこれはロードレースでなく田舎のオフロードがメインのレースで、その舞台はなんとトスカーナのシエナ発着、コースはあの美しき オルチャ渓谷 や クレーテ・セネージ 、と聞くだけでワクワクです。そんなわけで私もレース観戦に便乗して思い切り楽しんできた1日をレポートしたいと思います!
レースが始まったのは2015年、今年はちょうど10回目の記念すべき年!
ということで、旧市街でもパビリオンの壁に過去の出場選手の名前や写真などがプリントされていました。前日に選手紹介などのイベントはあれど、ツアーとしては1日なのに、女子と男子、そしてアマチュアの大人と子供のカテゴリーでも並行してミニレースが行われるため、観戦以外でも自ら走るチクリスタも多いこと!シエナが町ごとチクリズモの町と化し、お店や道に風船がたくさん飾られたり、ウインドーをチクリズモ仕様にしたり、めちゃくちゃ盛り上がってました。それを知らず普通に観光に来た方はさぞびっくりしたと思います(笑)。
まずは要塞近くのスタートエリアにて、係員にスタート地点の確認をして1時間くらい前に陣取りを開始。女子はスタート直後の場所にいたのですが、その1時間30分後くらいの男子も係員に聞き、今度はスタート直後からカーブして下りていく道沿いで場所取り。女子よりもやはり男子が人気で、みるみるうちに人が増えたので、早めに場所取りが肝心。一番前だったので、まだ本レースに入る前の流し気味走行とはいえ、とてつもない迫力の動画が撮れました・・・!
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ちなみに男女のレースのタイムテーブルや詳細はこんな感じ。
女子
✅スタート:9時45分、ゴール:13時30分~14時
✅コース:13区画のオフロード含む、50.3キロ
✅通過する町:シエナ、ソヴィチッレ、モンテローニ・ダルバ、ムルロ、 ブォンコンヴェント 、モンタルチーノ 、 サン・クイーリコ・ドルチャ 、 ピエンツァ 、アッシャーノ、カステルヌォーヴォ・ベラルデンガ
男子
✅スタート:11時20分、ゴール:15時30分~16時
✅コース:16区画のオフロード含む、81.7キロ
✅通過する町:シエナ、ソヴィチッレ、モンテローニ・ダルバ、ムルロ、 ブォンコンヴェント 、モンタルチーノ 、 サン・クイーリコ・ドルチャ 、 ピエンツァ 、アッシャーノ、カステルヌォーヴォ・ベラルデンガ
(通過する町は女子と変わりないものの、距離が30キロも違う!)
男子のスタートを見終わったら、女子のゴールまで約1時間30分・・・この大会のすごいのは、ゴールがあの!世界一美しい広場とも称されるカンポ広場であること。場所取りの時間もあるので、ここでピッツァをテイクアウトして(美味しかった!女子なら2人で1枚で十分!)、隣のスーパーで飲み物を買って、カンポ広場に向かいました。ちなみにピッツァ屋さんでも飲み物は買えますが、スーパーと比べると倍~水などは5倍くらい違います。最近は旧市街でもあちこちにスーパーがあるので、節約したい方はバールや飲食店よりも、飲料・お菓子などはスーパーでの買い物がお得 です!
カンポ広場は傾斜があって、みな地べたに座ったり寝転んだりしています。私たちは一応日焼けを気にして日陰でピッツァを食べました!テイクアウトの時はお願いしてカットしてもらっておくと食べやすいです。
食べた後は、ゴールとなる市庁舎前に移動。ライブ配信しているラジオRTL102.5 のパーソナリティが盛り上げたり、広場に設置された大型スクリーンで映し出されるレース映像とともに実況解説が入り、ゴールにいてもレース全部が楽しめるようになっていました。そして観戦目的の外国人も多いためかイタリア語・英語の2言語だったので、イタリア語は全くダメな人でも少しは内容が理解できるかも!
スタートと同じく女子はそれほどの人でもなかったので、ゴール直後の写真のあたりで観戦。ここよりもゴール前が白熱しそう、ということで、男子は上の写真一番奥のカンポ広場に入ってきてすぐのゴール前に狙いを定め、近くでジェラートを買ってから1時間以上前に陣取りをしました。
そのおかげで、落車して肩を負傷&自転車交換までしたレジェンド・ポカチャルのこんなシーンを超間近で見ることができました!!
下はEurosportで投稿されていた上から見たゴールシーン・・・私たちは右側、LIVIGNOのパネル付近にいるはず(笑)。もらった旗をぶんぶん振り回し、パネルをバンバン叩きながらもう大興奮でした!!
そして表彰式は、ポカチャル祖国のスロヴェニアのファンが多数来ていて、大きな国旗を誇らしく振り回してました。私は今回初めてこの選手の名前を知りましたが、全く自転車とか観ないダンナでさえも知ってくらい、チクリズモ界のトップ選手。このレースを観戦してからは、この2週間後にあったミラノーサンレモレースも見てしまうほど、自転車競技にまたハマりそうな予感・・・
前述のように、イタリア旅行ではサッカー観戦を組み入れる方、 ペンスポさんでバレーボール記事を書いている 関係もあってアテンドを依頼される バレー観戦 の方は練習見学などもいれると、観光要素は果てしなく少なくなる傾向にありますが、こういった「スポーツ・ツーリズム」は、もっともっと大きな可能性を感じます。
そして今回はストラーデ・ビアンケ観戦&オルチャ渓谷Eバイクツアーを経験し、新たに「チクリズモ・ツーリズム」も!自転車ラバー、特にMTBラバーの皆さんはぜひ! 通年3月第2週末に行われるストラーデ・ビアンケ観戦+シエナ観光と、Eバイクツアー&オルチャ渓谷観光にお越しくださいませ。
Strade Bianche 公式サイト(英語)もチェック!
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
いずれも読み放題に入っています!
