モンティッキエッロ「テアトロ・ポーヴェロ」、住民全員参加の歴史ある市民劇団

オルチャ渓谷、ピエンツァの分離集落・モンティキエッロ。今ではオルチャ渓谷も世界遺産となり、童話のような可愛い町並みに訪れる人も増えてきていますが・・・実は、数十年前までは、村がなくなる危機に瀕していました。1960年代まで、ここモンティキエッロだけでなく、トスカーナを始めイタリア中部では「折半小作制」が行われていたのですが、その制度も廃止後、多くの貧しい農民が村を捨てて出ていってしまいました。その状況に歯止めをかけ、かつてのこの地の人々のアイデンティティを保持しようと、1967年に生まれたのがこの「テアトロ・ポーヴェロ」=貧しい劇場、という名の劇団です。脚本を作るのも、小道具を作るのも、演じるのも、全てが住民。そして場所は、村の広場。時代とともに紆余曲折がありながら、1980年には地域社会協同組合となり、今でも住民全員が組合員となり、劇以外にもツーリストインフォメーション、劇団ミュージアム、レストラン、貸しアパートをオープンし、今年はPARCO VIVOと同じく、トスカーナ州の資金援助を受け、電気自転車レンタル事業も開始!村の在り方を住民全員で決定し遂行する、劇団というよりも住民自治組織として活動を行っています。

ちなみに現在の会長は、ダンナ幼馴染のばーちゃん村在住・ファビオ、PARCO VIVOの副会長でもあります。彼のはからいで、ばーちゃん村の幼馴染家族とやっと観劇することができました。劇がある時は旧市街すぐ下の駐車場がいっぱいになるので、早めに18時半に到着すると・・・すでにいっぱいで駐車場下の路肩に停め、いざ、旧市街へ!

劇は20時半~ですが、まずは劇団が経営するレストランで食事。教会右横、そして劇団の本部のあるヌオーヴァ広場へ向かいましたが、予約確認で並ぶ列がすでにできていました。レストランはもちろん、郷土料理ばかり~まずはピチのカーチョ・エ・ペーペをシェアし、そして私のメインは・・・

オルチャ渓谷風トリッパ!普段我が家ではフィレンツェ風、そしてヴォルテッラ風を作りますが、オルチャ渓谷風は初耳&初食!美味しくて完食したかったのに、劇の時間になったので、満席で観劇できなかった男性陣に譲って退散(悲)。

さて、通常の劇は7月~8月中ばまで教会の反対側の広場で行われるのですが、今年はコロナの影響で8月1日~15日の2週間のみ、場所も各シーンを旧市街のいろんな場所で行うため、1階に着き20人程度のグループが移動しながら観劇します。先のグループが移動して少し間をおいて、次のグループが出発する、という方式で1日4回行われたそうです。

旧市街から門を出て受付を済ませたら、ガイドさん(これも劇の一部)に従って各シーンのある場所へ。54回目(54年目)の今年のタイトルは「Isola d’Istante(瞬間の島)」、きっと短いシーンを島に見たて、次々に移動していくからつけられたタイトルなのでしょう。内容はまさにタイムリーな、コロナ禍に巻き込まれた人々の様子を皮肉やメタファーを取り混ぜたもの。このおばあちゃんは、TOP写真のシーンでTOP写真右上の建物から出てきた方・・・きっとここに住んでいるのかな?

こちらは、ロックダウンで部屋にこもる生活に慣れすぎて、もう家から出たくない女性と、彼女との結婚を地替えた婚約者のシーン。

そしてこちらは、かつてのモンティキエッロの学校を再現したもの。ご覧のように、下は小学生から上は80才以上まで?まさに住民全員参加、ここに生まれた人は、この伝統を生まれた頃から普通に享受し、そして小さい頃から参加して成長していくのです。劇そのものもよかったですが、彼らの在り方に、とても感動した夜でした。

イタリアでは市民劇団、そして地域社会協同組合のモデルとして有名なテアトロ・ポーヴェロ。観劇はもちろん、地域社会の在り方、地方プロモーションなどの視察・研究に携わる方へも、大いに参考になると思います。日本語での問い合わせは、下記よりどうぞ。

お問合せ&お申し込みは、こちら

地域社会協同組合については、こちらでも詳しく紹介しています。
「地域社会協同組合」で資産を守り発展する、トスカーナ地方集落の挑戦

ー(クリックすると拡大します)
基本情報

Teatro Povero di Monticchiello
Piazza Nuova 1, Monticchiello
Tel : +39-0578-755118

今年2020年は特殊な年ですが、例年は劇は7月~8月15日まで。その前後を加えた期間に食堂もオープンします。観劇と食事、そしてアパートもセットになった滞在プランなどもありますので、興味ある方はぜひお問い合わせくださいね。

お問合せ&お申し込みは、こちら

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