マルケ州オッファーニャ、アンコーナの砦となった「イタリアの美しい村」

グラダーラに続いて訪れた「イタリアの美しい村」は、ヌマーナより30分ほど内陸に入ったマルケ州中部・オッファーニャ。キャンプ場中日に数時間くらい私の希望を入れても許される?と、家族に内緒でリサーチをしていたのですが(笑)、最終的に候補に上がったのが、このオッファーニャとオージモ。1つに絞るために色々調べていると、オッファーニャに決定打が見つかり、ダンナに了解を取って予約!当日に息子らからはブーブー言われながらも、滞在中日の夕方からオッファーニャに行くことができました。

標高309mにある小さな村ですが、その村の大半?を占めるかのような立派な要塞があります。これは旧市街下の広場ですが、ここから「Rocca=要塞」と書かれた表示に従い、坂を上っていきます。この地に城が建設されたのは1000年頃、このエリアを統治していたアフラーニア家によるもので、ここから後にオッファーニャの名がつきます。その後オッファーニャは、12世紀から16世紀までアンコーナとオージモとの領土争いの場となり、最終的には7000フィオリーニ(当時の通貨)でアンコーナが買収。1454年~1456年に、近隣の勢力からの防衛のため、現在の要塞が建設されたのです。

オッファーニャ訪問を決定づけたのは、要塞ガイド付き見学とアペリティーヴォツアーがあったから。18時にこの塔の前に集合でした。全員がイタリア人でしたが、すべて私たちのようにマルケ州外在住でバカンスできている人たちばかり。総勢15名ほどで、地域プロモーション協会のガイドさんとともに中に入ります。

中は直接は要塞やオッファーニャに関係ないのですが、マルケ州が所持する中世時代の武器の展示や、遺跡から発掘された土器などの展示があります。

そしてこちらは、1477年のアンコーナ対オージモの「豚の戦い」を再現したジオラマ。なぜ「豚の戦い」かというと、緊迫していた領地境に、放牧中の一頭の豚がアンコーナ領からオージモ領に侵入したことから勃発したから!800人のオージモ軍が5000人とも言われるアンコーナ軍を下し、傭兵隊長であったボッコリーノ・ディ・グッゾーネはヒーローに。その後もフィレンツェやミラノなどの大都市国家に雇われる活躍だったそうです。

このツアーの一番の楽しみは、やはり塔の上から見る夕暮れのパノラマ。明るいレンガ色の屋根が続く旧市街、マルケの大地をオレンジ染める太陽は、19時半ころにゆっくりゆっくり沈んでいきます。

南東の方へ目をやると、オージモの村が見えます。オッファーニャからはたったの10キロ、アンコーナとオッファーニャが20キロ離れているので、アンコーナ領になった後もオッファーニャは絶えず敵の最前線にさらされていたわけですね。

そして塔から降りてくると、お楽しみのワイン&軽食タイム。そもそも中部で食文化も似ているので、これぞマルケ!これぞオッファーニャ!という内容ではなく、地元のサラミやチーズとピッツァ、スペルト小麦のサラダなど。しかし、ガイド付きツアーとこれらがセットで大人15ユーロ、14歳以下の子供10ユーロは、妥当なお値段かと。2021年は夏季、毎週の火水に開催していましたので、マルケに夏に来られる方は Visit Offagna のサイトをチェックしてくださいね。

時間的に教会も閉まっていたし、ゆっくりと散策はできなかったのが少し残念。息子たち(私たちも)がキャンプ場を超気に入ってまたバカンスに来そうなので、再訪できるかも?いや今度こそはオージモ?と夢は膨らみます・・・

  オッファーニャの宿泊施設はコチラ  

2021年マルケ州バカンスで訪れた、もう2つの「イタリアの美しい村」はこちら

マルケ州グラダーラ、ダンテ「神曲」にも登場する「悲劇のキス」の村

マルケ州トッレ・ディ・パルメ、海岸線を見下ろす「イタリアの美しい村」

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

Visit Offagna

【行き方】
アンコーナ駅前より、ConerobusのO番にて直通約30分。時刻用はこのページより、3つの期間=ORAI FERIALI SCUOLE CHIUSE(学校が休み期間の平日)、 ORAI FERIALI SCUOLE APERTE(学校が開校期間の平日)、 FESTIVO(日祝)に分かれており、PDFがダウンロードできます。各時刻表でO路線をご覧ください。

電車の乗り方などについてはこちら、

バスの乗り方などについてはこちらを参照ください。

👇 マルケ州の美しい村は、下記の書籍にも2村紹介しています 

愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!

人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。

本の詳細はこちら

 

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