日本の皆さんが思い浮かべるイタリア料理、さらに言うとパスタでは、圧倒的に多いのが「カルボナーラ」。しかし、実はカルボナーラってイタリア料理ではありません。イタリア料理は、基本イタリア各州の郷土料理の寄せ集めというか一般的にどこでも食べるトマトソースやミートソースのパスタとかそういう感じでは正しいのですが、各州ごとに料理があり、他州のものは観光地以外では食べることができません。カルボナーラはローマ料理で、フィレンツェでもバリバリ観光客目当てのレストランか、シェフがローマ出身の人か、個人的にカルボナーラが好きな人でないと、レストランのメニューにはカルボナーラはありません。もれなく、うちのマンマもカルボナーラなんて作りません(笑)。うちは私自身も好きでダンナも息子たちも大好き。最初は玉ねぎ入れたりもしてましたが、最近はできるだけ本場の材料と作り方に近づけ、腕もだいぶん上がってきました(長男・談)。材料も作り方もシンプルなのですが、一番の問題は「火加減」!!卵が生でもなく、し炒り卵にもならず、クリーミィに仕上げるのは絶妙な火加減とタイミングが重要なんです。
前置きが長くなりましたが、ホンモノのカルボナーラは
- グアンチャーレ(豚のほほ肉)
- ペコリーノロマーノ(ローマの羊乳のチーズ)
- 卵
日本では当たり前のように思われている「生クリーム」は、基本入りません。ただし、グアンチャーレはこの辺りでは普通手に入らないし、我が家や他の一般家庭でも使用しているであろう材料で紹介しますね。
材料(4人分)
◎熟成パンチェッタ(いわゆるベーコン)、パルメザンやグラーノなど、家にある粉チーズ・適量 ◎卵・4~5個(卵黄のみ使用) ◎オリーブオイル、塩、こしょう、牛乳・適量 ◎パスタ(スパゲッティかペンネなどのショートパスタ、あればメッザマ―二カ)・320g
ちなみに、パンチェッタは塊を買います。隣町の肉メーカーのもの(ベーコンみたいにスライスしたのは、生ハムみたいにそのまま食べたり、アクセントとして肉塊やアスパラガスに巻いてオーブン料理に使います)。皮の部分と皮側の脂身を切り取りとってスライスしますが、そのまま使えるように小さいキューブ状に切ったものも売ってます。
作り方
1)パンチェッタを短冊切りにし(お好みでキューブ形でも)を弱火でじっくり炒めて、脂を出す
2)1)と平行してパスタを茹でる
3)卵を黄身、粉チーズ、塩、こしょうを入れてしっかり混ぜておく(少しだけ牛乳を入れて柔らかくしても)
4)茹でているパスタのゆで汁をお玉半分くらいとり、少し冷ましてから3)に入れて混ぜる
5)パスタが茹であがったら、1)のフライパンに投入し、混ぜる。一番の弱火にし、4)を投入してよく混ぜる=ここが一番の難関!卵液が少しづつクリーム状になってくるので、程よい加減で火を止める
TOP写真のものは、長男が「今まででベスト3に入る出来」とほめてくれたもの。この火加減だけが難しいですが、他の材料や作り方はいたって簡単なので、皆さんもぜひコツをつかめるようにチャレンジ!して下さいね。
【我が家の食卓】シリーズは「コラム」カテゴリーで紹介しているレシピですが、トスカーナ郷土料理に関しては「郷土料理・食材」カテゴリーにまとめています。興味のある方はぜひ覗いて&実践してみて下さいね。
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
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「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
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