地元民や観光客でにぎわう、サンタンブロージョ市場。その賑やかな広場の一角に、通り過ぎてしまいそうなくらい慎ましく、小さな宝石のようなビストロがあります。オープンは2000年、オーナーの純フィレンツェ人・ジルダさんと息子のウィリアムさん・・・お二人ともとっても粋なマダムと紳士、服装などあまりイタリアっぽくないのですが、おしゃべりなのはやっぱりイタリア人(笑)。
お店は入るや否や、うわぁ!と声を上げたくなるほど洒落ています。それもそのはず、ジルダさんが大好きなイギリス映画「眺めの良い部屋」でも使われたペンションとそのオーナ―・バルトリーナ婦人を再現したもので、なるほど!なんとなくレトロであまりイタリアっぽくない雰囲気なのです。すみずみまで「アールヌーヴォー」にこだわった内装は、1920年のトリノ銀行のカウンター、ヴィラ・ロンバルディの壁付け照明などなど・・・。そして店内では、不定期に絵画などの展示もしています。
そしてお皿やグラス、カトラリーも品の良いアンティーク。お料理を食べた後にどんなのが出てくるか?楽しみでもあります。
さて、お料理の方ですが・・・まずは、サービスの突き出し・・・と言うにはそれなりの量があります!この日はナスのヴィネガー漬けのパスタ。もちろん毎日変わります。しかし、これを先に知っていればパスタをたのまなかったのですが、失敗しました(苦笑)。
オーダーしたのは、オレッキエッテのトマトソース、水牛モッツァレッラ添え。これ、かなりボリュームがありますが、お味も上品で美味しいので何とか食べられましたが、複数人で行くならシェアして他のお料理も食べたい所です。
こんな雰囲気なので、気分はエスプレッソでなく、やっぱり紅茶。ティーバッグでなく茶葉で出てくるのも嬉しいところ・・・ただし、種類はダージリンのみでした。
そして気になるお値段ですが、プリモは12ユーロ~、メインは20ユーロ~と、私が普段使いするにはハッキリ言って予算外。実際私が行った時は常連さんの「AVVOCATO(弁護士さん)」や、州庁などどこかの機関にお勤めの方々のビジネスランチの方など、超庶民が来るお店ではなさそうです。ただし、ツンツンしている感じは全くなく、逆におしゃべりしてくるほどの気さくな感じ。そしてこの独特の雰囲気の中で過ごすゆったりとした時間は、特別な食事の時にまた再訪したいなぁ、と思わせてくれました。旅行者の方なら、フィレンツェの旅の思い出作りにはぴったりですよ。
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基本情報
Gilda Bistrot
Tel : +39-055-2343885
月~土、12:00-15:00&19:00-23:00
日曜定休