フィレンツェの無料で見られる「最後の晩餐」~アンドレア・デル・カスターニョ作、サンタポッローニア編

サン・サルヴィのアンドレア・デル・サルトの「最後の晩餐」に続く、フィレンツェの無料で見られる「最後の晩餐」2つ目は、アンドレア・ダ・カスターニョ作、サンタポッローニア編です。こちらもサルトの「スカルツォの回廊」と同じくサンマルコ広場から至近なので、一緒に周るといいですね。こちらも小さな美術館なので見逃しそうなほどですが、イタリアとEUの旗が掲げられているので、それを目印に。入口の左にはちゃんと看板も出ています。

サンタポッローニアは1339年に設立された小さな修道院で、1440年の拡張の際、中庭や食堂などが追加され、1447年にアンドレア・デル・カスターニョによってこの「最後の晩餐」が描かれました。今回調べてて初めて知ったのですが、あの「レオナルド・ダ・ヴィンチ=ヴィンチ出身のレオナルド」という名前と同じように、彼の名前を訳すと「カスターニョのアンドレア」。そう、おらが村近くの、昨年栗祭りに行った「カスターニョ・ダンドレア(アンドレアのカスターニョ)」の出身なのです(同年代のフラ・アンジェリコやフィリッポ・リッピと比べるとマイナーな画家ですが、村は彼の名前をつけるほど誇りに思っているんでしょうね)。修道院は1881年に閉鎖され、その後、4月27日通りを作る際に大部分が破壊されてしまいましたが、この作品が残る食堂だけがミュージアムとして残っています。

入口から食堂のドアを抜けると、いきなり「最後の晩餐」がドドドーン!と右側から迫ってきます。西側の壁のほぼ一面を使った大きなフレスコ画は、とにかく大迫力。覧のように、最後の晩餐は下半分です。ここでも観賞用のイスが並べられているので、座ってじっくり見てみるといいですよ。びっくりしたのは、この作品は描かれた当時の記録はほとんどなく、発見されアンドレア・デル・カスターニョ作と断定されたのは1800年後半。というのも、この修道院は修道女のみの施設で、修道院が閉鎖になるまでは、外部の人間は立ち入り禁止だったからだそうです。

厳格なまでの遠近法、そして左右の像に見られる古典主義的な装飾。そして時にヴァザーリなどから指摘されたように、濃い色使いに、堅めのしぐさや表情。まだルネサンスの最高潮を迎える過渡期の作品として、またアンドレア・デル・カスターニョの中での代表作として評価を受けています。上には左から、「キリストの復活」、「キリストの十字架刑」、「キリストの降架」の3つのシーンも。実は「最後の晩餐」が見つかった時にしっくいで上塗りされたのですが、湿度の問題で壁をやり直す時に発見されたのだそう。そのおかげで損傷が激しいのですが、その発見時には下絵であるシノーピエも見つかり、現在は逆側の壁に移設されているので、見比べてみるのも面白いですね。

「優しい感情を描けない」とヴァザーリから指摘されたそうですが、私個人的には、側壁にある「キリストと2人の天使」のキリストの表情がとっても好きでした。使用している色の濃さは「最後の晩餐」と同じなのですが、ここに描かれているキリスト、なんとも言えない自然な表情をしているように見えませんか?「最後の晩餐」以上にこれが気に入ってしまい、この絵の前に座ってしばし眺めていました~こんな風に、いわゆる「有名作品」でない発見、自分だけのお気に入りを見つけるのも、美術鑑賞の醍醐味ですね。だからどの美術館に行く際も、限られた時間の中でも、好きな方にはぜひ鑑賞時間を長くとって訪れていただきたいです(そんなこと言いだしたら、ウフィツィなどは半日以上かかりそうですが💦)

ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報

Cenacolo di Sant’Appollonia
Via XXVII Aprile 1, Firenze
Tel:+39-055-2388608

下記以外は毎日開館、いずれも時間は8:15-13:50
毎月第1・3・5土日、1月1日と12月25日はクローズ。
入場無料(入ってすぐのカウンターで、来場者名簿にサインしてください)

人気ブログランキングへ
イタリア情報ブログランキング

関連記事

  1. 【レポート】京都のイタリアンシェフと、自然派農家とオーガニックワイナリー訪問

  2. フィレンツェ・モザイク「Scarpelli」、伝統工芸を今に伝える希少な工房

  3. よりすぐりの生産者 X ハーフポーションが嬉しい、フィレンツェ「FOODY FARM」

  4. フィレンツェのおしゃれな本屋・libreria brac でたっぷり野菜補給!

  5. 和・伊から選べる贅沢朝食が自慢!フィレンツェ北部のB&B・gnamo gnamo

  6. フィレンツェ近郊「1800年代のお城」に独占滞在!

Copyrighted Image