サント・スピリト通り、スパーダ通り、ネーリ通り、トスカネッラ通り、ディ・コンティ通り、ポルタ・ロッサ通りに続く、フィレンツェの素敵な通りシリーズ第7段は、アルビツィ通りです。地図をよくご覧いただくと分かりますが、フィレンツェの目抜き通り・カルツァイウォーリ通りから真ん中あたりにある交差点=西がレプッブリカ広場、東がコルソ通り、そのコルソ通りをまっすぐ行くと、大きな通りを境にこのボルゴ・デッリ・アルビツィ通りになります。
さて、このボルゴ、というのは「小さな村」という意味で使われることが多いですが、今のViaと同じ、主に古い地区では「~通り」という意味でも使われます。では、アルビツィ、とは?1200年代後半からフィレンツェの記録に残る、主に羊毛商人として財を成した旧家。メディチ家のドラマではアルビツィ家のリナルドが老コジモと対立していたように、紛争の火種になることも多かったそうですが、メディチの前より芸術保護を行っていたり、リナルドの弟・ルカ以降はメディチの信頼を取り戻し、フィレンツェ共和国の重要ポストに返り咲いています。現在、この通りの12番地にあるのが、このルカが残したアルビツィ宮。1800年代に家系は消滅しますが、その時の事業であったポミーノのワイン用のブドウ畑は、今や世界に名だたるフレスコバルディ家に引き継がれています。
コルソ通りから来ると、ひときわ目立つのがTOP写真の左側の建物。家具・美術商のルイージ・パンドルフィーニにより1924年の創立されたオークション会場。この通りの左側は、このような歴史的な建物が多く存在するので、建物自体にも要チェックです。両脇は昔ながらのお店と、最近のポップな飲食店などが混じって面白く・・・私も久々に通ったのですが、いろんなお店がなくなっている一方、新しいタイプのお店ができていて面白かったです。
古いお店、例えば、この靴屋さん。私が留学できた頃からある、ベーシックなモデルを良心価格で販売しています。
あとこの照明屋さんも!
そしてこの「ロッジア・デッリ・アルビツィ」も、昔からあるケーキ屋さん兼バール。今風のバールも同じ通りに数軒できた中、昔ながらのイタリアン・バールスタイルでほっとしますね。
とっても面白いのが、通りの中ほどにある「Maestri di Fabbrica(=工場の匠)」と言うお店。ここはアルビツィ家最後のヴィットーリオが残したもう1つのアルビツィの館、そしてコンサルティング会社の本社があるのですが、元々中小の生産者へのコンサルティングをしていた会社が、それらの会社が一堂にプロモーション・販売できるように作ったのがこのお店という訳。カテゴリーは広く、家庭雑貨からコスメ、バッグなどのファッション小物や飲食関係まで、そして近年には店内にレストランコーナーもオプンし、ランチ&ディナーがブッフェ形式で食べられるほか、テーマの食事会などのイベントもしているそう。店内は撮影禁止なので写真はありませんが、アルビツィの時代の華やかなフレスコ画などもそのまま残っているので、入るだけでも楽しいですよ。
そこより先は観光客もぐっと減り、昔ながらのおもちゃ屋さん、アンティーク屋さん、福屋さんなど。最後はこんなアーチのあるちょっとした広場に到着です。
さらに先に進むと、日本でも有名なチョコレート店・Vestriがあったり、逆にヴェルディ通りへ右折すると、サンタクローチェ広場に出ます。徒歩で行けるとはいえいろんな行き方があるので、行きと帰り違う道を行ったりして、フィレンツェの素敵な通りを満喫してくださいね。
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