イタリア北東部のトレンティーノ・アルトアディジェ州、ボルツァーノ県エ―ニャという小さな村に行ってきました。村自体の紹介は別の機会に譲るとして・・・そこでのランチに寄ったお店を紹介したいと思います。イタリアは1861年にというたった160年前に国家ができたので、今も州や地方によって歴史・文化などなどが多彩なのですが、この州がイタリアになったのはなんとさらに58年後の1919年。シチリアなど他4州とともに「特別自治州」であり、州内のトレンティーノ県、ボルツァーノ県も「自治県」となっているのです。北側にあるボルツァーノ県はいまだにドイツ語圏の名残が多く、公用語はイタリア語・ドイツ語の2か国語、私の肌感覚では9割くらいは日常生活にドイツ語を使用しているという感じです。
前置きはともかく・・・そんな影響からか、このお店の名前もイタリア語でなく、サイトはなんとドイツ語の一か国語表記(汗)。しかし、行った日に郷土料理がありそうなレストランがなかった(閉まっていた)こと、お店の雰囲気がよかったこと、そしてこの地はイタリア随一のピノ・ネーロ種のワインで有名だということで、エノテカであるこのお店に入ったのでした。お店で話しかけられたのはまず「ハロー」、そして「〇△□xxx」ドイツ語!とはいえ、ブォンジョルノ、とイタリア語で話しかけるとイタリア語モードになってくれます。皆さん完璧なバイリンガル!
座ってから気づいたのは、ここはミシュランガイドにも何度も掲載されている名店!お値段に少しビビりながらも時間もたっぷりあったので、めいっぱい堪能してやろうとピノ・ネーロのグラスワインと、ハムとチーズの盛り合わせをオーダーしました。すぐに運ばれてきたのは、上品な銀製のカトラリー、そしてサービスの突き出し。ジャガイモのゆるいピューレにスパイスが効いた生サルシッチャが馴染み、とっても美味しい。
そしてオーダーしたものも到着!ハムは左より、ラルドのスペック(燻製)、普通のスペック、ローストハム。チーズはヤギ、牛のチーズに、スコットランド生まれのシュロップシャー・ブルー。アナトー色素で付けられた黄色と青かびのコントラスト、そして濃厚な今までに食べたことないチーズでした。濃厚であるのですが、ゴルゴンゾーラとか他の青かびチーズを比べると臭み?クセはありません。またさいの目切りのオレンジの物体は梨のムスタルダで、ほんのりした甘みの中に、あとでピリリっとくる辛みがなかなか美味しく、チーズにのせるだけでなく、これとワインだけでも十分食べられました。
トイレのために中にも入りましたが、中の内装もシックでおしゃれ。上の写真の左奥にトイレがあるのですが、その手前の小さなスペースがまたおしゃれだったんです。それだけでなく、総大理石?のトイレも清潔で高級感あふれていて、おもわず写真を撮ったという(ギャラリーに掲載・笑)。スタッフもとてもスマートで、北部だからなのか、お店の格だからなのか、お値段はなかなかのものでしたが、全てがハイクオリティのエノテカでした。私はハムとチーズの盛り合わせを頼みましたが、数は少ないと言えどパスタや魚・肉料理もありました。あとでサイトを探す時にレビューも見たのですが、ここのストゥルーデル(この州の郷土菓子、シナモンがきいたリンゴのパイ)が絶品なんですって!しまったーーー!!・・・ということで、今度エ―ニャに来ることがあったら、ストゥルーデル目当てにお茶しに行こうかな?と思います。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
Johnson & Dipoli(サイトはドイツ語のみですが💦)
Via Hofer Andreas, 3, 39044 Egna BZ
Tel : +39-0471-820323
毎日営業、10:00 ‐ 1:00
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