ドゥオモに近い路地にある小さなお店、フルネームだと、Fiaschetteria Osteria Nuvoli(フィアスケッテリア・オステリア・ヌ―ヴォリ)。オステリアはだいぶん知られてきましたが、大衆食堂のこと。一方フィアスケッテリアは、フィアスコ=ワインを入れる丸みのあるボトル、つまり、ワインをカウンターで提供するお店、つまり立ち飲み屋(笑)。そんなゆるい雰囲気は入口からも漂っていて、入ったらまさにカウンターでワインを飲むオッサンやら、パニーノをテイクアウトする人でにぎわっています。私も軽く食べたいときにパニーノと赤ワインをテイクアウトして、外の丸椅子で食べることは何度かあったのですが、今回、初めて地下のテーブル席でお料理を食べに行きました。
入口前後の賑わいを見ると満席なのでは?と思ったら、時間早いとはいえ私たちが一番乗り! テーブル数はあまり多くないので、早目に来ると確実に入れると思います。予想を裏切らないザラバン紙のラフなテーブルセッティングに、フィオレンティーナのユニフォーム(コテコテフィレンツェ料理店に必須!)、銅製の調理器具など、雰囲気もベタな感じでまさに期待通り!
今回は初めてのイタリア、初めてのフィレンツェという友人なので、コテコテのフィレンツェ料理を。とはいえ、女子2人ですのであまり多くは食べられません。
私は絶対食べて欲しいレバーパテのクロスティーニ、そして友人はハム・チーズ大好きと言うならやはりこれでしょう、のトスカーナの前菜盛り合わせ。クロスティーニは定番のレバーパテに生サルシッチャときのこ、黒トリュフパテのミニバーガー。ハムチーズ盛り合わせはどこの州でもありますが、州によって内容が違います・・・フィレンツェならば必ず入っていないといけないもの・その1がフィノッキオーナ・ズブリチョローナ。フィノッキオーナはフェンネルシードの入ったフィレンツェ定番のサラミですが、この半生タイプでややレアなのがズブリチョロ―ナ(ぽろぽろと肉片が崩れるため)で、これがめちゃんこ旨いんです!! そしてその2はソップラッサ―タ。豚のしっぽや舌、軟骨など捨てられる部分を利用したサラミで、ぷにゅぷにゅ・コリコリした独特な食感とたっぷりハーブがまた旨い・・・もちろんお供はキアンティの赤です。そしてチーズは熟成違いのペコリーノ(羊乳)。
モツ系大好き!ということで、すでに前日にイル・マガッジーノで
フィレンツェのソウルフードであるランプレドットをラヴィオリ、煮込みと堪能してきた友人。しかし、やはりトリッパを食べてもらわない訳にはいきませんよね? ってことで、フィレンツェ風トリッパの煮込みも。こちらも期待を裏切らず柔らかく煮込まれ、ソースもパンですくって全部食べたい勢いでしたが・・・前菜でパンもいっぱい食べてお腹いっぱい!デザートにはたどりつけませんでした、残念!
1階に上がってお会計する時も、1人しかいない兄ちゃんは「ワイン頼んだ人ー!!」と大声出しながら大忙し。私たちの会計もさささっと「30ユーロ、トンド(きっちり)ね!」とテキパキと・・・何もかも高騰の今、2人でお腹いっぱい食べて(私はワインもなみなみと・笑)1人15ユーロはかなり良心価格。特に友人はインフラ真っ最中のイタリアよりも物価の高いウィーンから来たものだから、やっす!と大喜びでした。
オシャレなレストランやSNS映えで人気の店、新しいお店もたくさん出てきたフィレンツェですが、私はやっぱりこういうベッタベタな(笑)郷土料理店が好き。おかげでそういうお店ばかりを紹介してしまいますが、やっぱりこういう店はほっとします💜 予約は受け付けてませんが、昼休みなくいつでも食べられるのが良い所。ランチ、ディナーも早目の時間に行けば間違いなく座れますので、店先が混んでいても中に入ってみてくださいね。
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基本情報
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
本の詳細はこちら
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
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