バーニョ・ヴィニョーニは、オルチャ渓谷のサン・クイーリコ・ドルチャの分離集落。トスカーナには数々の温泉地がありますが、ここもその1つ・・・他と全く違うのが旧市街のど真ん中にぶくぶくと温泉が湧いており、こんな風に大きな浴槽があるのです。
ここは Piazza delle sorgenti = 源泉の広場、その名の通り、この地の温泉はここで生まれました。エトルリア、ローマ時代から知られるその温泉は、中世になると、シエナの聖人カテリーナやピエンツァ出身の教皇・ピオ2世、そして メディチ家のロレンツォ・イル・マニーフィコ まで訪れたと言います。また1581年の Michel de Montaigne の旅日記には、 ローマへ巡礼に訪れる人々が立ち寄った という記述が残っています。
この温泉は町中にある水路を通り、遺跡まで続きます。遺跡には4つの水車があり、かつては石臼を回す動力を生み出すために使用されていたとされています。うち2つは岩の中にあり、当時のシステムとして高度技術だったはず・・・
その水路で、 自由に足湯!これがまた、気持ちいいのです!この日も、老いも若きも足湯を楽しんでいました。後ろの頂きに見えるのは、ロッカ・ドルチャの村とその要塞です。
そして、温泉は崖から下に流れ、その下には 自然の温泉が!
ここは厳密にいうと入浴禁止だそうですが、以前に何度も入っている人を見かけました。罰金対象だそうですが、(自己責任で)入ってみたいと言う方は、周りは何ないので車などで水着へ着替えを済まませてください。また、若い頃よく入っていたと言うダンナによると、流れてきている間に水温は大分下がっているので 真夏じゃないと寒い 、とのことでした。
ちゃんとした温泉が入りたい!という方には、周辺にあるスパ付きホテルへどうぞ。私のお気に入りはホテル、ポスタ・マルクッチで、毎週金・土は夜間での入浴ができます。4つ星ホテルで宿泊すると結構お高いのだけど、ビジターで行ってその雰囲気も楽しめるし、何より星空とロッカを眺めながら温泉につかり極上気分に浸れます。
ここだけでなく、他にもSPA付きのホテルや可愛らしいB&Bもあります。
温泉のことばかり書いてしまいましたが、中世のまま残った町並みもとても可愛い村です。
旧市街端から見るパノラマも美しい・・・!
この村からさらに車で5分、徒歩で40分ほどの上った場所にヴィニョ―ニ・アルトという小さな集落もあり、そこもおススメ。景色も美しいので、健脚の方は夏以外なら歩くのも楽しいと思います。
バーニョ・ヴィニョ―ニ旧市街に入る前に、E-BIKE(電気アシスト付きマウンテンバイク)のレンタルやツアーのお店がありますので、こちらを利用してこの村やほかの村を周るのも!
ギャラリー(写真をクリックすると拡大します)
基本情報
【観光協会】
サン・クイーリコ・ドルチャ・ツーリストインフォメーション
【行き方】
オルチャ渓谷のサン・クイーリコ・ドルチャからバス52A番で直通約10分。ただし本数が平日に3本程度ととても少ないです。
バス52A番の時刻表や路線図はこちら
「Download line timetable and map」をクリックすると時刻表がダウンロードできます。
オルチャ渓谷の他の村 などと一緒にハイヤーで周遊するか、ここで宿泊、あるいは E-BIKE で寄るのをおススメします!
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
本の詳細はこちら
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
いずれも読み放題に入っています!