今となっては懐かしい、トスカーナがまだイエローゾーンだった時に訪れた展示会がこちら、「DANTE700」。2020年10月29日~の開催でしたが、行こう行こうと思っている間にオレンジゾーンになり、クリスマス休暇ロックダウンがあり、2月あたまにやっと行けたのでした。本来は1月末までだったように思うのですが、しばらく閉館を余儀なくされたこともあり、会期が3月31日までに延長されています。
会場は、サンタ・マリア・ノヴェッラ大聖堂。大聖堂で?と思われる方もいるかもしれませんが、近年、施設全体の開放に伴い、かつてドメニコ会派修道士が食堂として使っていた場所で展示会を行っています。
こちらは同会場で、2019年秋~冬に行われた展示会。この時はレオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年記念でしたが、2020年はラファエッロ、今年はダンテと、記念年が続いています。今回行きたいな、と思った理由は2つ。1つ目の理由は、フィレンツェ圏カードで入場無料で入れるから。2つ目は、秋に見てとても良かった写真展と同じフォトグラファー、マッシモ・セスティーニ氏のものだったからです。
TOP写真は、この写真展のもう1つの「目玉」である、木製の扉。ヴェッキオ宮殿が所蔵する1480年作の木製の扉で、デザインはかのボッティチェッリ、ジュリア―ノ・ダ・マイアーノとフランチェスコ・ディ・ジョヴァンニによって完成されました。写真は全部で23枚、フィレンツェから遺体が収められているラヴェンナ、またローマやヴェネツィアも含め、ダンテにゆかりのある地で撮影されています。フィレンツェでは、ミケランジェロ広場でダンテの格好をしたガイドさん、同じくダンテの格好をしたパンツァーノの肉屋チェッキーニ、
また、サンタクローチェ教会のダンテ像をダンテと同じ目線で見たもの、などなど・・・面白かったのが、ある高校での授業風景。日本では「イタリア語の父、ダンテ、神曲」と世界史でさらっと触れられるだけですが、こちらでは当然イタリア語の授業で、神曲そのものを結構がっつり読み解いていくのです。
トスカーナではほかにも、ダンテが滞在してフィレンツェ政庁から追放された1310年から1年間滞在し、「神曲」地獄編・第33歌を書いたとされるポッピや、聖人フランチェスコゆかりの地ラ・ヴェルナなども。
さすが国際的に有名なフォトグラファーだけあり、感情が高ぶられるような一瞬をとらえものばかり。それが元食堂の空間と相まって、何とも言えない感動がこみ上げてくる素晴らしい写真展でした。フィレンツェの前はローマ、そしてフィレンツェで終えたら欧州各首都で開催される予定らしいですが、コロナの影響でどうなるか・・・欧州首都にお住まいで興味のある方は、またネット検索してみてください。
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