フィレンツェにはピッティ宮殿のボーボリ庭園をはじめ様々な庭園がありますが、藤で有名なのが、このバルディーニ庭園です。オルトラルノ(アルノ川の向こう側)地区、ちょうどグラツィエ橋の南側にあります。私はてっきりバルディーニ博物館とくっついている庭園かと思っていたのですが、それとはまた別。入口はバルディ通りと、ベルヴェデーレ要塞近くのコスタ・サン・ジョルジョ通りの2か所にあります。チケットはボーボリ庭園と陶器博物館との共通チケットになっており、後者の入口はボーボリ庭園の上の入口とつながる抜け道があります。
こちらはバルディ通りの入口。自動ドアの上には「Il giardino con il piu’ bel panorama di Firenze = フィレンツェいち美しいパノラマがある庭園」と掲げられていますが、さて、いかに・・・?
ただし、私が行ったのは、2021年4月28日。規制緩和でその前日から再開したのですが、なんとその週はずっと雨予報。すでに有名な藤の見頃は過ぎていたのですが、この日を逃すと私は来年までまた見られなくなるので行ってきました。なので、天気はあいにくの雨ときどき曇り。しかし、そのおかげで庭園はほぼ私1人とう独占状態でした。
。現在はバルディーニ庭園と呼ばれていますが、ここはもともと、1600年代半ばに建てられたマナードラ家の屋敷。その後、所有者が点々とおかげで、その年代ごとの異なる様式の庭が楽しめます。チケット売り場から2階へ行き、庭園へ出ると、こんなモニュメントがあり、右側の壁に掲げられているのは、1700年代末に所有者となったモッツィ家の家紋。1600年代に造られた中央の大階段に、モッツィ家時代に噴水や彫刻が加えられました。
そこから右側の気に囲まれた道を行くと、前左には小さな洞窟と、彫刻に囲まれた小階段。その右側には小さなバラ棚もあります。上に上ると、秋・夏・春の花壇を右に見ながら更に続く階段をゆき、前述の大階段の下までたどり着きます。
この大階段は通行禁止になっていたので、上写真前方に見えるオリーブと果樹に囲まれた坂道を上っていきます。そうすると、もう藤棚はすぐそこ!
天気のせいで写真はいまいちですが・・・それでも美しい藤にうっとり。藤は1700年代にイタリアに入ってきましたが、早く成長し、開いている場所を埋め尽くすように伸びていく様子が、人間の知識の発達と似ていることから、そのシンボルとされているそうです。この庭園にいつ植えられたかは分かりませんが、網目のようにめぐらされた枝と、そこにたわわになる花は圧巻。それが約40mも続いているのですから・・・
こんな風に、藤の中の隙間から見えるドゥオモがまた美しい。額縁風にしたり、ちょい見せしたり、焦点をドゥオモに当てて藤をぼかすか、はたまたその逆か・・・写真を撮影する方は、楽しくて大変かと思います。ただし、例年ならこの藤を見に来る大勢の人で、人が入らない写真はありえないほどの混雑だそうです。
藤棚を上り切るとパノラマテラスに出ます。ここから真下にバロック階段の庭、右前方にはサンタクローチェ地区が見られます。この時はコロナの影響でしまってましたが、休憩ができるカフェテラスもあります。
そして、一番の見どころは更にその上。ちょうど藤棚の真上にあたる城壁に囲まれた空間です。椿の植木鉢(満開は3月)が置かれ、オリーブ畑がある場所なのですが、そこから見下ろすパノラマが、こちらっ!
満開だったら、お天気だったら、もっと美しかったかもしれませんが・・・一足先に公開したSNSでは、「しっとりした感じが美しい!」と多くコメントを頂いたので、これはこれでよかったかもしれません。何よりこの絶景を独り占めだったのですから・・・
下りながら見つけたもう1つのパノラマは、藤棚が下、城壁が真ん中、上にサン・ミニアート・アル・モンテ教会。
パノラマテラスから藤棚の反対側に下りると、庭園全体を見渡せる場所もあります。カップルにはもってこい?また、現在は休館中(2021年5月6日現在)ですが、ミュージアムにもなっているバルディーニ博物館近くの入口と、ボーボリ庭園への抜け道や、ベルヴェデーレ要塞からも近い上の入口があります。私は下の入口から入り、庭園を1周しましたが、上から下って行ってもいいですね。
動画で簡単にまとめてみましたので、こちらもどうぞご覧ください。
別の日にバルディーニ博物館も行きましたが、こちらも超・おススメです!
こちらもおススメなフィレンツェの庭園2つ。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
Villa Bardini
Costa San Giorgio 2-4(上の入口、ボーボリ庭園への抜け道へ)
Via dei Bardi 1 Rosso(下の入口、バルディーニ美術館近く)
Tel :+39‐055‐20066233
毎日営業、10:00‐18:00(最終入場17:00)
※第一・最終月曜は定休
チケットはボーボリ庭園、陶器博物館と共通(1日のみ有効)
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
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「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
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