ピオンビーノは、リヴォルノから始まる「エトルリア海岸」の最終地点。そして何より、貨物フェリーとエルバ島、サルデニア島、コルシカ島へ渡るフェリーの港がある事でも有名です。私たちも13年前のエルバ島でも個々の港を使用しましたが、旧市街に行くことは全くなく。おそらくイタリア人、外国人観光客の人も、フェリー利用目的だけでピオンビーノに来ることが多いと思います。しかし今回、エルバ島に行く前泊で訪れて旧市街を散策し、「ピオンビーノは港だけじゃない!」、と声だかにして言います(笑)。1800年代初めにはナポレオンから妹のエリーザに割り当てられ、「私の小さなパリ」と彼女が愛し繁栄したその町を、ぜひ一度訪れてみて下さい。
旧市街の入り口は、ピオンビーノで一番古い建築物でもある「イル・トッリーネ」、別名サンタントニーノ門は1200年代建設。そしてその隣にある「イル・リヴェッリーノ」は1400年代建築。ピオンビーノは中世より海沿いの重要地であったため、当時ここを治めていたオルシーニ家、そして後にメディチ家によって、様々な軍事防御建築が行われたのでした。その1つが1400年代建設の城と、1500年代建設の要塞です。ここは1861年のイタリア統一後は牢獄として使用されていましたが、2001年には大幅な修復が行われ、現在は城と中世陶器博物館になっています。開館は6月~9月の夜ですが、1ユーロ+でガイド付きツアーも行われ、塔の上にも上ることができるそうです。
歴史的建築物だけでなく、繁華街も楽しく・・・メインストリートは旧市街を南北に走るヴィットーリオ・エマヌエーレ通り。商店、レストランなどが並ぶ中、中ほどには立派な時計の塔と、プリオーリ宮、そして市庁舎もあります。元々は中世頃の建物ですが、いずれも近年に修復されています。
そして、ヴィットーリオ・エマヌエーレ通りを南の端まで行くと・・・
このジョヴァンニ・ボーヴィオ広場、海に突き出した大きな広場に出ます。ここは1920年代に建てられ、三角形の頂点が海に突き出す形になっています。
中ほどには方位盤、そして先端付近にはロッケッタ灯台。
正面のエルバ島が、この下の写真のようにくっきり見えます。見晴らしがよいときにはその先のコルシカ島、また南側にはモンテクリスト島やジリオ島、北側にはカプライア島も見えるそう。北側の広場付け根には、小さな港もありますよ。
ピオンビーノは鉄道駅から旧市街もすぐですし、ピサやリヴォルノからは電車1本で行けます。途中にはカスティリオンチェッロ、ボルゲリ、カンピリア・マリッティマ、ポプローニア、ピオンビーノの先にはカンピリア・マリッティマ乗り換えでグロッセートやタラモーネ、オルベテッロ、カパルビオにも行くことができます。この路線だけでも見どころがたくさんですので、エトルリア海岸~海マレンマの電車とバスの旅も面白い~やっぱり海が好き!な方におススメのルートです。
ギャラリー(クリックすると拡大します)
基本情報
Piombino Turismo(ピオンビーノ市観光局サイト、英語)
【行き方】
フィレンツェSMN駅からカンピリア・マリッティマ駅またはピサ中央駅乗り換えで約3時間、ピオンビーノ駅下車。電車の乗り方などについては、こちらを参照ください。旧市街は駅前からすぐ、海に突き出たボーヴィオ広場までは徒歩10分、フェリー乗り場までは徒歩20分。フェリーまではタクシーが便利。
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
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