20年近くもトスカーナにいて、
その1・coso と cosare
その2・非人称のトスカーナ的な使い方
その3・piacere でなく garbare
その4 ・ fo’ フォと vo’ ヴォ
という風に、着々とトスカーナ弁にも慣れておりますが、このコロナウィルス騒ぎで出てきた新しいトスカーナ弁=IO SORTO。SORTOが一人称ってことは、これは動詞で原型はSORTIREかな、と調べたら、ビンゴ!意味は、(アクティブに)外出する。一般的にはUSCIREやPARTIREですが、トスカーナではSORTIREもよく使うそうです。ご覧のように、-IRE動詞なので、活用はこんな感じ!
・・・んんん?これもなんかちょっと一般的でないものがあるような?では、解説しましょう!!
- UN=NON、つまり、IO UN SORTO=私は外出しない
- TE=TU、TEはTUの直接補語ですが、主語としても使います
- TU SORTI=TU(二人称単数の主語)を、再帰動詞のTIのように使います
- SI SORTE=SORTIAMO、その2で書いたように、一人称複数形の動詞として非人称を使います
- VU SORTITE、さっきのTUと同じように再帰動詞のように言うのですが、これもVIでなくてVU
- LORO UN SORTANO=三人称複数の直説法現在形はSORTONOが正しいのですが、なぜか接続法を使います
(これも語学学校に行ってい時、ダンナが「VENGANO(彼らが来るよ)」と言われ、えええええ!なんでそこで接続法を使うの??と理由を聞いたのですが、「接続法じゃないよ、うーん、ここではそう言うんだよ」と言われて脱力した思い出があります)
ま、たったこの1つの単語の活用で、これだけトスカーナ弁特有のものが出てくるとは(苦笑)。今までになかったことがあると、新たなトスカーナ弁をまた覚えるチャンス!ということで。ちなみにSORTIREという動詞はもう1つあり、意味は「持ち合わせる、達成する」、同じーIRE動詞でも、こちらの活用はSORTISCO, SORTISCI, SORTISCE, SORTIAMO, SORTITE, SORTISCONOになります。