リヴォルノ県でもあるエルバ島では、「エルバだけの」料理がなかなか見つけられなかったのですが、お菓子でそれが存在しました!ポルトフェッライオの店先で、行ったスーパーの特産品売り場で、あちらこちらで見かけたこの赤いもの=Schiacciata Briaca スキアッチャータ・ブリアーカ。エルバ島で一番有名な郷土菓子です。「スキアッチャータ」という名前の食べものは、塩味のパン・いわゆるフォカッチャを指すスキアッチャータ、カーニバル・父の日のお菓子スキアッチャータ・アッラ・フィオレンティーナ、9月のお楽しみ・ぶどうのスキアッチャータなど、トスカーナではよく聞くもので、指で押して(スキアッチャーレ=押す、の過去分詞)作ったり、麺棒で伸ばしたりして薄く作ったものを指します。こちらブリアーカも、その形から来ているのでしょうね。
そして「ブリアーカ」は、中に入っているエルバ島のリキュール・アレアーティコ、色付けになっているフィレンツェのリキュール・アルケルメスで酔わされた(ウブリアカータ=酔う、の過去分詞)から。元々は小麦粉・ナッツ・オリーブオイル・はちみつだけで作られ、高カロリーで保管しやすいことから、船乗りのエネルギー食だったものだそうです。かつては記録がなく、口承で伝えられてきたお菓子で、カポリーヴェリはマスカットリキュールを使用で色が赤くないなど、同じエルバ島でも違いがあるそうですよ。ちなみに、カポリーヴェリではスキアッチャータ・ブリアーカのジェラートを食べましたが、これはとっても美味しかった!
本物のスキアッチャータ・ブリアーカは、帰りのフェリーに乗る前にランチしたポルト・フェッライオのお店にて。「好きな人と苦手な人に分かれる」と記事を読んでいたので、ホール買いするのに躊躇していたのですが、カウンターで切り売りしていたので少しだけ買うことができたからです。
食べた感想は、「ぼそぼそ・エネルギーありそう・思ったよりお酒ぽくない」。苦手ではないけれど、めっちゃ好き!また食べたい!というほどではありません。でも郷土菓子って、美味しいから、だけでなく、いや、たとえ美味しくない・万人受けするものでなくても、それが生まれた歴史やその地の人の慣習が背景にあるから価値がある物。あ、レーズン好きの人は間違いなく好きになるはず。そしてきっと、下の動画のように、エルバ島の人には愛着のあるお菓子なんだと思います。だから、私の食べた感想とは関係なく、エルバ島に来たら絶対1度はぜひ!ご賞味ください。
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