世界遺産のオルチャ渓谷、その中にあり、かつ単独でも世界遺産に指定されているのが、このピエンツァです。オルチャ渓谷へ行きたいけれど、どこへ行こう?と初めて来られる方から聞かれたら、やっぱり「王道」はここ。本当に小さい村ながらもッドゥオモ、可愛らしい路地、そしてオルチャの絶景も眺められる城塞の道など、見所がギュッと凝縮されています。
どこからピエンツァに入るかにもよりますが、周辺の景色も素晴らしい!丘の上に見えてくるのがピエンツァの旧市街で、近づくにつれテンションがUPします!
東西に長い旧市街の南側の真ん中に位置するのが、町の中心のピオ2世広場。。小さな町の割には大きな大聖堂がありますが、割と簡素な造りとなっています。この広場の名前にもなっている、この町出身のピオ2世 は、シエナのドゥオモの図書室や、ここピエンツァ大聖堂右横にあるお屋敷のオーナーであるピッコリーミニ家の出身。1458年に教皇に選出され、翌年、元々コルシャーノという名前のこの町を、建築家に 「理想都市」 に作り変えるに命じたて出来たのが、今のピエンツァなのです。
大聖堂を背にして左側には、ピッコローミニ宮があり、現在はミュージアムになっています。食事の間、音楽の間、個室などで当時の貴族の生活の様子が伺うことができますよ。中だけでなく、南側に面した庭は必見!時間のない方も、入口から美しい柱廊で囲まれた中庭を覗いてみてくださいね。
一方、大聖堂を背にして右前に見えるロッジアがキレイな建物は、なんと市庁舎。こんな歴史的な建物が市役所って本当にイタリアらしいですね。このロッジアの下にはユネスコ世界遺産登録(1996年)のプレートがあり、ルネサンス人文主義を初めて適応させた町、などの登録の理由が書かれています。
絶景ポイントは大聖堂の左側から城壁上の道へ入って左に曲がったところ。ここからはオルチャ渓谷のパノラマ広がっています。奥に見えるのはトスカーナ第二の山・アミアータ山。道沿いにてベンチがあるので、世界遺産の絶景を見ながら贅沢な時が過ごせますよ。ここからの180度動画もどうぞ!
そして、この道に入ってくる路地の名前がとても愛らしいんです。幸運の通り、愛の通り、そしてキスの通り!恋人同士はもちろん、大事な人と歩きたい&記念撮影したくなりますね。
城壁上の道を東へ歩き切ると、旧市街端のジリオ門に着きます。そこから西へまっすぐ伸びているのが、町を南北に分けるメインストリート・ロッセッリーノ通り。ここにはB&Bやレストラン、エノテカ、チーズ専門店などが軒を連ねます。ピエンツァの名産はペコリーノ(羊のミルクで作った)チーズ、少しクセはありますが、フレッシュタイプ(fresco)から熟成タイプ(stagionato)までいろいろあるので、試食してお気に入りを購入してみてくださいね。オルチャ渓谷をドライブすると、広大な原っぱに点々と見える白いもの=羊の群れもよく見られますよ。
このロッセッリーノ通りを西へ向かって歩き、左手にピオ2世通りを見てピッコローミニ宮を過ぎた隣が、サン・フランチェスコ教会。清貧の聖人・フランチェスコの名前の教会はアッシジが一番有名ですが、イタリアではあちこちにあります。
1200年代に建てられたプリミティブな教会は中の装飾もほとんどなく、祭壇は石を切り倒したもの、朗読をする聖書を立てる台はいばらの形をした鉄製ととても個性的。祭壇右側にはこれまたひっそりとした礼拝堂。観光客は多いけれど、この教会の中だけはとても静かで別世界です。ちなみにこの教会の右側は大型ホテルチェーンのルレになっており、教会の中庭を使った素敵なカフェがあります。
ロッセッリーノ通りの西の端は、ムレッロ門。1944年戦時中に崩壊しましたが、1955年に再建されています。ピエンツァの町を見下ろす天使たちの絵も可愛い。この門を出て左にはツーリストインフォメーションがあり、無料の公衆トイレもその先の坂を下ったところにあります(標識が出ているので分かりやすいです)。そしてムレッロ門の前はのどかな広場になっていて、地元民くつろぎの場(子供が遊べるちょっとした公園もあります)、広場から斜め前左右に出ている修道には、シエナやモンテプルチャーノとつながるバスの停留所があります。なので、バスで来られる方のピエンツァ観光はムレッロ門が出発点となります。
ムレッロ門からそのままロッセッリーノ通りを直進せず、右折した路地を行くと城壁沿い道には陶器屋さん、靴の工房などが連なり、見ているだけでもとても楽しいです。一方、ロッセッリーノ通りより北側は路地が入り組む住宅の多い地域。こちらにもマクラメ職人さんの工房やアート系の小さいお店がたくさんあります。自由気ままに散策して、可愛いスポットを探してみて下さいね。
オルチャ渓谷や南トスカーナの運転をお願いしているハイヤーさんはピエンツァ在住なので、ピエンツァ拠点だとハイヤーさんの拘束時間も有効に使えますよ。もしくは電動アシスト付き自転車(E-BIKE)でオルチャ渓谷を周りたい
のであれば、このE-BIKEツアーを企画する隣の集落・モンティキエッロの地域社会協同組合が
- その前後の宿泊地からの車送迎
- オルチャ渓谷内のハイヤーツアー(7時間)
- 地域社会協同組合の会員が経営する宿泊施設
も、この協同組合が全部まとめて手配してくれます。
ギャラリー(写真をクリックすると拡大します)
基本情報
【観光協会】
Proloco Pienza
【行き方】
シエナよりバス112番で直通で約1時間15分、ピエンツァ下車。同路線の終点であるモンテプルチャーノからは同じく112番で約20分。この路線は、ブォンコンヴェントやサン・クイーリコ・ドルチャも通る、オルチャ渓谷を公共機関で行く方には大変便利な路線となっています。
バス112番の時刻表や路線図はこちら
「Download line timetable and map」をクリックすると時刻表がダウンロードできます。
バスの乗り方などはこちら 👇 👇 👇
ハイヤーでフィレンツェから、またはその他の場所から、ご希望に応じてモンタルチーノなど他の村を含めた オルチャ渓谷 周遊も可能 です。ハイヤーについては、こちらをご覧ください。見所をうまく組み合わせた、ハイヤープランもあります。モンティッキエッロ地域社会協同組合が運営するE-BIKE(電動アシスト付き自転車)ツアーもおススメです!
愛すべき、美しい30の村
飾らない、ありのままのイタリアへ!人口や景観など、「イタリアの最も美しい村」協会が設けた厳しい基準を満たした村だけが加盟を認められる「イタリアの最も美しい村」。その中から、イタリア在住20年以上、トスカーナ州の田舎町に暮らす著者が、“忘れられない”30の村をセレクト。古きよきものが息づく小さな村の魅力を、旅先での出会いやエピソードをちりばめながら綴る。
本の詳細はこちら
【AMAZON KINDLEより、5冊の電子書籍を発行】
「フィレンツェから日帰りで行ける!トスカーナの小さな村10選」
「トスカーナのおうちごはん春夏編20レシピ」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(モノクロ版)」
「コロナ・ロックダウン緩和直後のイタリア・フィレンツェ記録写真集(カラー版)」
「トスカーナのおうちごはん秋冬編20レシピ」
いずれも読み放題に入っています!