サンティ・ミケーレ・エ・ガエターノ教会、サン・フレディアーノ教会、サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ教会、サンタ・マリア・マッジョーレ教会、サン・ミケーレ・アルカンジェロ・ヴィスドミーニ教会、サンタ・トリーニタ教会、サンタ・フェリチタ教会に続く、第7段の「ガイドにないフィレンツェの教会」シリーズ。通ったことはあったものの、こちらも全く入ったことがなかった、サン・フェリーチェ・イン・ピアッツァ教会です。名前の通り、Piazza=広場、サン・フェリーチェ広場にある教会なのでこの名前がついています。場所はピッティ宮殿すぐそばですが、ヴェッキオ橋とは反対側。サント・スピリト広場にも近いのですが、なんだかちょうど死角になっているようなゾーンなので、あまり観光客は通らないかもしれませんね。私はたまたまですが、サント・スピリト広場からピッティ宮殿に抜けようとして、思い出して入ったのです。
古いものが好きな方にはいきなり萌える、この扉。教会の記録は1066年にまでさかのぼるそうですが、他のいろんな教会と同じように、時代ともに幾度となく改修が行われます。ファサードの改築は1457~1460年代、当時の著名な建築家であったミケロッツォの設計とされています。右側に残る焼け跡は、1926年の火事の名残かもしれません。そしてファサードは典型的なルネサンス様式ですが、中は下の写真のようにゴシック様式となっています。
しかし入ってビックリしたのは、屋根が低いこと。こちらは、1500年代の改修のもの。1557年にドメニコ会の修道女たちがやってきた時、彼らの細則に従って、信者に見られることなくミサに立ち会うスペースが必要となり、このように入口から半分上のスペースを作る必要に迫られたそうです。
ちょっと変わった造りの他に、名画も数々残っています。まずは主祭壇の十字架、美術好きの方ならすぐピンと来るかも?の、ジョット派の1308年頃の作品です。
主祭壇向かって左中央には、エンポリの1595年の作品、「聖ジャチントの前に現われた聖母」。
そして入口すぐ左は、ボッティチェッリ派の1480年の作品「聖アントニオ・アバーテ、聖ロッコ、聖女カテリーナ・ダレッサンドリア」、そしてこの右横や、その他の壁にもあちらこちらにあるのが、デッラ・ロッビアの色彩テラコッタです。
そんな芸術作品もさながら、私が心打たれたのは、第二次世界大戦中のこと。ここはオルトラルノ地区(アルノ川向こう側の地区)でのレジスタンス運動が最も活発な場所で、当時ここの神父であったブルーノ・パネライはオルトラルノ解放委員会に教会の地を提供し、またこの地区に住むユダヤ人をかくまっていたそう。教会という宗教の場であっても、戦時中は安全では決してない中で奮闘した、その姿に思いを馳せてしまいました。
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基本情報
Chiesa San Felice in piazza
Piazza San Felice, Firenze FI
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