サンティ・ミケーレ・エ・ガエターノ教会、サン・フレディアーノ教会、サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ教会、サンタ・マリア・マッジョーレ教会、サン・ミケーレ・アルカンジェロ・ヴィスドミーニ教会、サンタ・トリーニタ教会、サンタ・フェリチタ教会、サン・セヴァスティアーノ・デ・ビーニ教会に続く、第7弾の「ガイドにないフィレンツェの教会」シリーズ。今回は、ヴェッキオ宮殿の裏すぐ&バルジェッロ博物館のほぼ前、という立地で行きやすく、なかなか見ごたえもあるバディア・フィオレンティーナ教会です。私はメディカル・アロマをやっている友人に付き添い、ここの修道女さんがやっている薬局に来て初めて知った教会でした。
入口は2つ、ヴェッキオ宮殿裏のプロコンソロ通りのほうが分かりやすいですが、こちらも入口の左横に同じ壁でお店が並んでいるので、ぱっと見は教会とは気づきにくいです。もう1つはダンテ・アリギエーリ通りで、そちらから入ると、まっすぐに教会本体の入口が見えます。
左手前にあるショーケースは、前述の薬局のもの。この教会の修道士さんが作ったものはなく、同じベネディクト会の他の修道院のもの。私が行った時は、若い修道女さんがいろいろ説明をしてくれましたので、薬草や自然派のソープなどが好きな方は立ち寄ってみて下さいね。
さて、教会の歴史ですが・・・元々あったサント・ステファノ教会は960年の建設のもの。それをウィッラ・ディ・トスカーナという貴族の女性に売却され、彼女やその他の寄付を基礎に、その息子ウーゴ伯爵により、978年、この教会が建てられました。その後、1285年にはアルノルフォ・カンビオによりゴシック風建築に改築され、当時の後陣の名残が今のプロコンソロ通りに残っています(TOP写真)。
1300年初旬に建てられた鐘楼はそのままですが、大半は1600年代の大改築によるもので、構造は正十字架に。主祭壇上にあるのは、前述のウーゴ・ディ・トスカーナ侯爵のものですが、メディチ家のコジモ1世が寄付を提供した際にメディチ家の紋章を掲げるように要請したそうですが、ベネディクト会の修道士が断ったのだとか(!)。1300年代に主祭壇に掲げられていたジョットの祭壇画は、今はウフィッツィ美術館にありますが、他にもいろいろな美術作品があります。
まずは入ってすぐ、左理側の壁にあるのが、フィリッポ・リッピの1482~86年の作品「聖ベルナルドの前に現われた聖母」。フィレンツェ包囲の際に作品を守るため、1530年にこの教会に持ち込まれたそうです。そしてもう少し先の同じく左側壁面、ウーゴ・ディ・トスカーナの上には1568年ジョルジョ・ヴァザーリ作の「聖母被昇天と聖人たち」が。
そして、1001年に亡くなったウーゴ・ディ・トスカーナのお墓(1466-81年作)など、大理石のお墓も多く残っています。
しかし私が一番目を奪われたのは・・・
浮彫の木製天井。これは、それまでのゴシック様式の桁組を隠すために1631年までに施されたものですが、とにかく緻密で、首が痛くなるまで見入ってしまいました。間近で見てみたい・・・
豆知識ですが、この教会のミサでダンテがベアトリーチェと初めて出会った場所。そしてボッカチオが「神曲」を朗読したこともあるそうです。
私が訪問した時には無料でそのまま入れましたが、どうやら有料のガイド付き見学の日もあるそうです。普段は解放されていませんが、ガイド付き見学では1400年代・当時の有名建築家ロッセッリーノにより作られたオレンジの中庭にも入れそう。特に日時はサイトに記載されていませんが、興味があればサイトから問い合わせができます。
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